顧問先マンションの排水管の更新工事が完了しました。

投稿日:2017年01月02日 作成者:重松 秀士
http://www.mansion-support.com/blog/2017/01/post_335.php

築40年以上経過した顧問契約先のマンションにおいて、排水管の更新工事を実施していました。
過去のブログでご紹介した東京都内のマンションなので、覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、約7か月の工事期間を経て、この度、工事が無事完了しました。
工事開始前からわかっていたことですが、このマンションでは以下のような特徴があり、当初から大変な工事を行う覚悟が必要でした。

  1. 排水横引管が、共用部分として下階の天井裏に敷設されており、工事には天井の解体・復旧が伴う。
  2. 多くの住戸でリフォーム工事を実施しており、竣工当初の状況と現在の状態がかなり違っているので、個々のお部屋にあわせた改修計画が必要
  3. 300戸近いマンションであるが、居住している区分所有者が少なく、約3分の2が賃貸住戸となっているので、居住者の協力がなかなか得にくい。

マンションにおいて、給排水管の更新工事を実施することの難しさについては、外壁や屋上を主体としたいわゆる大規模修繕工事との大きな違いをご理解いただければわかりやすいと思います。下の表をご覧ください。

項目 大規模修繕工事 給排水管更新工事
大掛かりな足場 必要 不要
工事対象となる共用部分 専有部分と区分しやすい 専有部分と一体となっており、区分しにくい
工程管理 天候等に左右されるが、再調整が可能 天候の影響は受けないが、1日刻みの詳細な管理が必要
住戸内への立入 原則不要 必要
室内工事 なし 内装の解体・復旧を伴なうことが多い
居住者の協力が得られない場合 玄関扉関連、ベランダの工事等ができないことがあるが、全体の工事に与える影響は少ない 1つの住戸が立ち入り等に協力してくれないと、その縦系列の住戸全ての工事ができない場合もある

どうでしょうか?給排水管の更新工事に関しては、「新築とは異なり、技術的にはそれほど高度な水準を要求されるものではないけれど、工程や各住戸の各種調整がとても難しい。」とよく言われますが、上の表をご覧になるとなんとなくご理解いただけると思います。

実際に工事を始めてみると「絶対に室内に入ってもらっては困る。」とか、「平日の昼間は不在なので、俺の家だけは日曜日に工事をやれ!」等という話もよく聞きました。

更には、多くの住戸でリフォームを実施しているのですが、浴室やトイレの専有部分の機器(バスタブや便器)を更新する場合、下階の共用配管との接続工事は、下階の住戸の協力を得て下からきちんと接続しなければならないのに、それをやらずに自分の階だけで工事を済ませてしまっているような例もありました。
こんな場合は、きちんと接続できないだけでなく、上下階の防火区画を壊したままになっている住戸も散見されました。

今回の工事は、途中でアスベストを使用した建材が発見され、法律に基づいて処理する費用が予想外に掛かったり、1階の床下ピットで新築時の大量の廃材が見つかったり等大変でした。
でも、工事会社の機敏な対応と判断のおかげで、それらの「苦難」をすべて克服し、300戸以上の住戸の全ての工事を完成することができました。
ちなみに、今回の工事の発注方式は、責任施工を前提として大手工事会社に提案型の見積りをお願いしました。
また、提案見積りに際しては、工事会社もかなりの見積りコストがかかることを考え、各社に見積費用をお支払する条件でコンペをしていただきました。

工事の様子

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竣工当時の状態を下階の天井裏から撮影しました。
スラブ裏(上階)の機器は、バスタブか便器と思いますが、下階の天井裏に敷設された横引管と接続されています。
これは竪管の一部を修理した後、広げた穴をコンクリートで塞がずに放置したままとなっている様子です。水平方向の防火区画が形成されていません。
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両サイドが更新した排水管です。
真ん中は、新設した通気管です。
設計事務所を起用せずに、工事会社の責任施工方式で発注しましたので、定例の会議は管理組合と施工業者だけで開催します。
工事会社の説明をよく聞きながら各種の難問を解決しなければならないので、信頼関係の構築が大切です。
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完成検査の様子です。
工事中は次から次へと問題が発生するので本当に大変でしたが、工事会社はよく対応してくださいました。
竣工検査の日が来た時にはホッとしました。
引渡しを受けた後、理事長から感謝状の贈呈です。

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