一般区分所有者からのメール無料相談の件。理事長に大規模修繕工事の関係書類の謄写を拒否されました。

投稿日:2018年01月28日 作成者:福井英樹
http://www.h-fukui.com/news/1405.html

 小職の無料相談メールで、ある管理組合の一般区分所有者から「理事長から2018年1月に完了した大規模修繕工事の工事関連図面等関係書類のスマホ撮影を拒否されている。『規約でも定めている通り、閲覧は出来るが、撮影はダメ!』といわれている。どうも不適切コンサル業者の疑いがあり、専門家にも相談したいので、コピーを精査してもらいたいのです。何とかならないものでしょうか?規約を変更しなければ、チェックできないのでしょうか?」との相談を受けました。投稿者の許可を下に紹介させていただきます。
 マンション管理適正化法4条1項及び同適正化指針によれば、
「管理組合の管理者は、必要な帳票類を作成してこれを保管するとともに、区分所有者等の請求があった時はこれを速やかに開示することにより、経理の透明性を確保する必要がある。」と明記されています。
 「コンメンタールマンション標準管規約」評論社刊でも
管理組合は、利害関係者からの求めがあれば、その者に対する管理業務の遂行状況に関して報告義務の履行ととして、業務時間内において、その保管している総会議事録、理事会議事録、会計帳簿及び什器備品台帳等を、その保管場所又は適切な場所において、閲覧に供する義務を負うということになっております。但し、コピー等の謄写権については、否定的でした。 
 しかしながら、マンション管理新聞にも掲載されましたが、平成28年12月9日大阪高等裁判所の判決は謄写権を認容しました。
規約に閲覧が認められていない文書でも、正当な理由がある場合は、閲覧・謄写、さらに写真撮影までも認められるとしています。 
 正当な理由とは、管理組合業務に不正等の疑いがある場合などは、組合員がチェック機能を果たすことは重要なことであるという理由により、管理組合文書の閲覧・謄写請求が認められたのです。
 裁判所は、マンション管理組合と区分所有者との間には、前者を敷地及び共用部分の管理に関する受任者とし、後者をその委任者とする準委任契約が締結された場合と類似の法律関係、つまり、民法の委任に関する規定を類推適用すべきであるということを認定し、これを排除すべき特段の理由のない限り、民法645条の規定が類推適用されると解するのが相当であると判断しました。
 また、裁判所は、「少なくとも、閲覧対象文書を閲覧するに当たり、閲覧を求めた組合員が閲覧対象文書の写真撮影を行うことに特段の支障がない限り、管理組合は報告義務の履行として、写真撮影を許容する義務を負うと解される。」と判断しています。
 従いまして、当該文書を外部に持ち出したりしての謄写は認めていませんが、スマホによって、その場で撮影する限り、当該写真撮影は、許容の範囲内と思われます。


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