2014年8月
マンションのベランダからの幼児転落事故相次ぐ
マンションでまた幼児のベランダからの転落事故が発生しました。
8月23日午後6時ごろ、大阪市天王寺区玉造本町のマンション(15階建て)の14階自宅ベランダ
から、4歳の男児が転落して死亡しました。男の子は直前まで母親と一緒に室内にいたそうですが、
仕事から戻ってきた夫を母親が玄関に迎えにいったほんの短い間にベランダの外に出てしまい、
そしてベランダの柵の手前に置いてあった逆さにしたゴミ箱を足場にして柵を越えて転落してしまった
ようです。幼い命がまたマンションでなくなってしまいました。
今月の12日に、神奈川県横須賀市のマンションで女児が亡くなったばかりです。ベランダには足場に
使ったと思われる椅子が置いてあったそうです。
また今年5月にも東京都葛飾区のマンションで、今回と同じ4歳の男児が10階から転落して死亡して
おり、この時はエアコンの室外機を足場にしてベランダの手すりを乗り越えてしまったようです。
いずれもベランダにあった何かしらの物を足場にして、ベランダの柵や手すりを乗り越えてしまったこと
が転落の原因です。
ベランダの柵や手すり等の高さは、安全のために建築基準法で定められています。
建築基準法施行令第126条第1項
「屋上広場または2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、
安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さくまたは金網を設けなければならない。」
この1.1mの高さは、大人が寄りかかっても大丈夫だという高さです。最近の高層マンションではさらに
安全を高めるために、もう10cmから20cmぐらいの高さににしているところもあるようです。
でも反対に、魅力ある眺望が売りの高層マンションにするためにも、より高い安全性を捨ててギリギリ
の高さで設置しているマンションもあります。どちらにしてもベランダに足場となる物があれば、この
1.1m~1.3mの高さは無意味な高さになってしまい、幼児の転落事故を引き出してしまいます。
また構造上梁が足場なってしまっているマンションがありますので注意してください。柱型を室内に
出さないようにして梁をベランダ等の先端に設けて、逆梁にしているマンションです。この場合サッシ高
を高くとることができ、キッチンからバルコニー等まで天井の高さを均一にすることができて高級感が
出ますが、梁がベランダ等にあるために、この梁の高さがもし65cm以下だと梁自体が足場になって
しまうからです。もし65cm以下であれば、梁の天端から手すり等の天端までが80cm以上あるか
どうかを確認してください。80cm以上あれば幼児にとって安全だと言われていますので、是非その
箇所を測っておいてください。
マンションの駐車場での子供の事故が多発していますが、幼児のベランダからの転落事故も相次いで
起きていますので、小さいお子さんが簡単に一人でベランダ等に出られないようにしておいてください。
そして万が一出たとしても、柵や手すりを乗り越えられないようにするために、ベランダ等には足場と
なるような物(エアコンの室外機、椅子、テーブル、ラティスヘンス、荷物等)は絶対に置かないように
してください。やむを得ず置かなければならない場合には、足場となるような物は、柵や手すり等から
十分に距離を離して、お子さんが動かせないように必ず固定しておいてください。
平成26年度のマンション管理士ガイドに載りました。
こんにちは。川崎・横浜を中心に首都圏で活動しているマンション管理士の横倉啓子です。 マンション管理士試験の受験勧奨リーフレット「国家資格マンション管理士ガイド」の平成26年度版の製作にあたり、同リーフレット中の「活躍する […]
京都市「市廃棄物減量及び適正処理条例」改正素案
京都市は、市廃棄物減量等推進審議会専門部会に提示した「市廃棄物減量及び適正処理条例」改正素案で、ごみの分別を市民の協力義務から義務に格上げした。可燃ごみに一定の資源ごみが混入していれば「違反シール」を貼り付け回収せず改善 […]
携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の課税について
国税庁が、マンション管理組合の携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の課税上の取り扱い
について、注意喚起を図るように公益財団法人マンション管理センターと一般社団法人マンション管理
業協会に依頼しており、それぞれのホームページに注意喚起が掲載されています。詳細は国税庁のホ
ームページをご覧ください。
マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合、その設置料収入は課税対象となる
との見解が示されています。その根拠は2つあります。1つは法人税法上、内国法人(人格のない社団等を
含みます。)に対しては、各事業年度の所得について法人税を課することになっており、マンション管理組合
(人格のない社団等又は公益法人等)に対する法人税は、収益事業から生じた所得のみに課されることに
なっており、もう1つは、マンション管理組合が賃貸借契約に基づいてマンション(建物)の一部を他の者に
使用させ、その対価をを得た場合には、収益事業(不動産貸付業)に該当することです。
「収益事業」の定義については、法人税法第2条第13号に次のように規定されています。
販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。
つまり、①政令で定める事業、②継続して、③事業場を設けての3つの条件が揃っている場合には、
収益事業とみなされ、その収入に対して課税されることになります。
①の「政令で定める事業」に関しても、次のように規定されています。
≪法人税法施行令第5条≫
法第2条第13号(収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質
上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。
(政令で定める事業) 限定列挙で34業種
①物品販売業 ②不動産販売業 ③金銭貸付業 ④物品貸付業 ⑤不動産貸付業 ⑥製造業
⑦通信業 ⑧運送業 ⑨倉庫業 ⑩請負業 ⑪印刷業 ⑫出版業 ⑬写真業 ⑭貸席業
⑮旅館業 ⑯料理店業その他の飲食店業 ⑰周旋業 ⑱代理業 ⑲仲立業 ⑳問屋業
㉑鉱業 ㉒土石採取業 ㉓浴場業 ㉔理容業 ㉕美容業 ㉖興行業 ㉗遊技所業 ㉘遊覧所業
㉙医療保健業 ㉚技芸教授業 ㉛駐車場業 ㉜信用保証業 ㉝無体財産権提供業
㉞労働者派遣業
一つ付け加えておきますが、ここに列挙されていない業は収益事業に該当しませんので、その業で
得た収入に対しては課税されないことになっています。
国税庁は2年前の平成24年2月に、マンション管理組合が駐車場を外部に貸し出した場合の
その収入には課税されると文章回答を行いましたが、その根拠も同じです。駐車場業も31番目に限定
列挙されていますので、外部に貸し出した分で得た収入だけ(一部例外があります。)を対象として
課税されることになります。
今回、国税庁がマンション管理センターとマンション管理業協会に対して、注意喚起をおこなうように
依頼していますが、これには何か意図がありそうな感じがしますので、申告漏れがないように十分
注意してください。
その他にも、自動販売機設置料収入、太陽光発電設備による電力売却収入にも課税されますので、
これらの収入についても申告が必要となります。