「夏の高温や南風、大きな台風で、建物には今までにない負荷がかかっている」。住宅あんしん保証(本社東京)の渋谷貴博・不動産事業部部長代行はそう指摘する。「だからこそ、工事会社には今まで以上にきちんと工事をしてもらうのが大前提。さらに瑕疵があってもきちんと直すということを徹底してほしい」と、瑕疵というリスクへの対策の必要性を一層強く呼び掛けている。
瑕疵が見つかった場合に、その補修費などを補償する大規模修繕瑕疵保険。最近では、管理組合が工事会社に保険契約を求めるケースが主流だが、その際、組合をちゅうちょさせるのが保険料。業界内でも値下げを求める声が少なくない。
同社の場合、例えば延べ床面積4032平方メートル・48戸のマンションで4800万円の外壁改修・屋上防水工事を行う場合、5年の基本補償(雨水の浸入を防止する部分)に①タイル剥落に係る特約(5年)②防水工事に係る保険期間延長特約(10年)ーの二つの特約を付保すると、保険料等は29万3620円で、工事費のおよそ0.61%。受け取れる保険金額は工事費を上回る5000万円だ。
ただ、この料金は大規模修繕工事着工時に一括で支払うこともあり、組合にとっては高額に映るようだ。既に工事会社や下請け工事会社、防水塗料メーカーらの保証がある為「プラスでお金がかかるなら・・・」と、工事会社に対し「加入しなくてもよい」とするケースも多い。
同じ条件で、保険料等を年単位や月単位で換算してもらった。
保険料等29万3620円を年単位で換算すると、1年間で2万9362円(表省略)。
保険加入者は工事会社だが、工事費に価格転嫁された場合として戸当たり費を考えると、約612円。
月単位で換算すると約2447円で、戸当たりではわずか50円程度となる。
「戸当たり月額50円で屋上防水保証が10年付くのであれば、決して高額ではない」と渋谷部長代行。
「組合には保険を安易に非加入とせず、工事会社にしっかり加入させお互いに万全のリスク対策をしてほしい」
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同社では保険料割引や特約の開発などにとどまらず、修繕周期の長期化を担保する商品を開発している最中という。「マンションでの永住指向が高まっている中、安心安全の暮らしを提供できる商品を検討している」(渋谷部長代行)。
発売日などは現時点では未定。
投稿者プロフィール
- マンション管理士(国家資格)・宅地建物取引士(国家資格)・区分所有管理士(マンション管理業協会認定資格で、管理業務主任者の上位資格)・マンション維持修繕技術者(マンション管理業協会認定資格)・管理業務主任者(国家資格)資格者で、奈良県初、大阪府堺市初かつ唯一のプロナーズ認定者
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