管理費等の滞納がある住戸の強制競売時、管理組合法人が行った配当要求が、滞納管理費等について消滅時効の中断の効力を生ずるかどうか争われた裁判で最高裁第二小法廷は9月18日、「時効の中断の効力を認めることはできない」と判断した東京高裁判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻す判決を言い渡した。

岡村和美裁判長は、不動産の強制競売手続きで行った配当要求における配当要求債権で時効中断の効力が生ずるには「法定文書により、債権者が先取特権を有することが配当要求手続きにおいて証明されれば足りる」と判断した。審理した裁判官4人の全員一致の判断。

判決文によれば、事件の舞台になったのは千葉県の団地型マンション。管理費等が滞納された住戸が2011年4月、強制競売の開始決定がされたことに伴い管理組合が同年6月、滞納管理費等について遅延損害金も含めて配当要求を行った。

強制競売は同年7月に取り下げられたが、その後担保不動産競売で第三者が住戸を取得。この新区分所有者は、滞納管理費等の支払い額の一部について消滅時効を援用したため、管理組合が「前の区分所有者が滞納していた管理費等の支払い義務を継承した」として、新区分所有者に滞納管理費等と遅延損害金の支払いを求める訴えを起こした。

これに対し、二審の東京高裁判決は「配当要求債権について『差し押さえ』に準ずるものとして時効中断の効力が生ずるには、債務者(全区分所有者)が配当要求債権について配当異議の申し出等をすることなく売却代金の配当等の交付が実施されるに至ったことを要する」と判示。

このケースでは強制競売が取り下げられていたため、前区分所有者が「配当要求債権についての配当異議の申し出をすることなく配当等の実施に至ったものではない」とし、消滅時効の援用を認める判決を言い渡した。

これに対し最高裁は不動産強制競売手続きにおいて配当要求をした「区分所有法7条1項の先取特権を有する債権者が」配当を受けるには、配当要求債権について先取特権を有することを「先取特権の存在を証する文書などによって証明しなければならない点に着目。

この点から、配当要求債権において消滅時効中断の効力が生ずるためには「法定文書により債権者が先取特権を有すること」が配当要求手続き時に「証明されれば足りる」、と判断。「管理組合が先取特権を有することが競売手続きで証明されたかどうかを審理していない」とし、審理を差し戻した。

以上、マンション管理新聞第1149号より。

 

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福井 英樹
福井 英樹福井英樹マンション管理総合事務所 代表
マンション管理士(国家資格)・宅地建物取引士(国家資格)・区分所有管理士(マンション管理業協会認定資格で、管理業務主任者の上位資格)・マンション維持修繕技術者(マンション管理業協会認定資格)・管理業務主任者(国家資格)資格者で、奈良県初、大阪府堺市初かつ唯一のプロナーズ認定者

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