4月14日に川崎市1号となる管理計画認定を取得した多摩区の「ライオンズマンション登戸第5」(築39年、19戸)。

制度について管理組合理事長の東条吉博さん(69)は「マンションの管理状況を良くする方向の話だと思う」と語る。

認定申請の動機の一つは、認定マンションになると住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」の金利が0.2%優遇される点だった。

「登戸」では今年4月から7月にかけて大規模修繕工事を実施した。来年度には給・排水管改修を予定しているが、一時的な修繕積立金不足が想定されたため、大規模修繕工事費用については融資を利用して賄うことにしていたという。

給・排水管対策の見通しを立てた時点で長期修繕計画に融資のプランを盛り込み、修繕積立金の値上げも行っているため特に問題は生じない。

こうした背景から、「融資金利の優遇」という認定マンションのメリットは、「登戸」にとって「渡りに船」だったようだ。

給・排水管の改修工事費用は、長計で見込んだ額から大幅な増額を見込んでいる。

工事では1階床下に増設された排水横引き管への対応を最優先にする。内視鏡調査を行ったところ、1階床下の土間コンクリート下に埋設された排水横引き管の劣化が最も進行していることが分ったからだ。

横引き管を更新するには∇1階床下コンクリート取り壊す∇建物外側からトンネルを掘り配管埋設部分に空間を作るーなどの対応を要する。だが、コンクリートを取り壊して更新する場合、仮住まいの必要性が生じるなど1階居住者に大きな負担が掛かる。

床下掘削も検討したが「登戸」は地中梁が2メートル以上もあり業者からは「対応不能」との回答が寄せられた。

結局、更新はせず既存配管の中に新しく配管を作るタイプの更生工法を採用することにしたが「単に更新や更生を行うより工事が高額になる」(東条さん)。

長計計上額と実際の工事費に差が出た要因の一つには、こうした事情もあったようだ。

   コミュニティ活動に力

今後はコミュニティ活動に力を入れたい考えだ。東条さんは「高齢化しているが若い世帯が全く入って来ていない訳でもない。そうした方が活動しやすいような環境づくりをしていきたい」と話す。

以前から懇親会などを定期的に行っており「大規模マンションに比べれば皆さんとのコミュニケーションは取れていると思う」。管理組合の役員は1年ごとに回り持ちで居住組合員全員が経験している。

以上、マンション管理新聞第1245号より

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投稿者プロフィール

福井 英樹
福井 英樹福井英樹マンション管理総合事務所 代表
マンション管理士(国家資格)・宅地建物取引士(国家資格)・区分所有管理士(マンション管理業協会認定資格で、管理業務主任者の上位資格)・マンション維持修繕技術者(マンション管理業協会認定資格)・管理業務主任者(国家資格)資格者で、奈良県初、大阪府堺市初かつ唯一のプロナーズ認定者